表題番号:2019C-215 日付:2020/11/20
研究課題確率計画法における変動シナリオ設定法の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 椎名 孝之
研究成果概要
確率計画法の応用として、エネルギーシステムの運用計画を考えた。太陽光、蓄電池、蓄熱層等を含むエネルギーシステム(コジェネレーション+系統電力)に
太陽光の不確実性を確率的変動として導入した場合の、運用最適化を考える。この問題には確率計画法により最適化を行うことで、蓄電池や蓄熱槽の現実的な運
用を可能とした。そして、不確実状況下での電源運用最適化モデルの開発を行った。需要、卸電力市場価格、再エネ電源発電量、のそれぞれの不確実性を確率的
変動として導入した場合の、電源運用最適化モデルを開発した。不確実性を表すモデルにおいては、個別シナリオを条件として最適化しても、シナリオ毎に得ら
れる運用方法に整合性が得られないことがありうる。確定的な計画要因を明らかにしたうえで、変動する条件に従って運用を最適化しなければならない。このよ
うな運用のコストを最適化することを可能とした。
また、プロジェクトに含まれる作業時間と費用のトレードオフを考慮したスケジューリング問題TCTP(Time Cost Tradeoff Problem)では、納期を重要視するモデ
ルや、費用を重視するモデルが提案されているが、工数と資源の投入を考慮したモデルは少ない。工数=作業時間×資源投入量と仮定すると、作業時間は資源投
入量の非線形関数となるため、取り扱いが難しい問題となるためである。しかも資源投入量は離散値に限定されるため、確率変動を考慮した整数計画問題を示し
た。