表題番号:2019C-191 日付:2019/11/10
研究課題IoTシステムにおける追跡を通じた見える安全・安心の実現
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 鷲崎 弘宜
研究成果概要
IoTシステムの部分および全体としてモノ、情報、環境、人などの要素が適応的に協調することで安全を見える化し、全体として活動を止めず、さらに障害発生時において安全側へと誘導するSafety 2.0の実現が求められる。ここで「安全」とは狭義の利用者のセーフティに加えて、IoTシステムの利害関係者において不可欠なセキュリティやプライバシ、さらにはそれらを支えるトランスペアレンシ(透過性)や信頼性を含む広義の安全性を意味する。セキュリティやプライバシを含む広義の安全性確保と、その条件や制限の明示が必要である。しかしIoTシステムの利害関係者の境界はしばしば不明瞭となり、デバイスやサービスから安全性要求や目標まで辿ることは困難である。安全性の実現過程で関係する情報の流れも通常不可視であり、安全の持続的保証を困難とし安心を損なう。

そこで本研究課題においては、応募者がクローズドなシステム向けに開発済みのトレーサビリティ(追跡関係)ツールを、メタモデルに対応するように拡張発展させ、ヘテロかつオープンなSystem of SystemsとしてのIoTシステムの開発運用において目標や要求、機能、安全性のあらゆる関心事を追跡およびその追跡関係(トレーサビリティ)を維持管理する仕組みの実現に向けた基礎調査を実施し、要件や特性を明らかとした。具体的には、応募者が世界で初めて実現した異なる成果物間のリンクを用いる推移的追跡、および設計や実装における呼び出し関係の解析の組み合わせにより、安全性を含む様々な関心事をオープンなIoTシステムの開発運用において追跡可能とする。