表題番号:2019C-121 日付:2020/01/03
研究課題19-20世紀イタリアにおける能力主義的代表観の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 講師 千野 貴裕
研究成果概要
本研究の目的は、19-20世紀のイタリアを事例に、能力主義(meritocracy)を前提とした代表制観がどのようなものであったかを明らかにすることであった。イタリアでは第一次世界大戦後の混乱を収められなかった議会が機能不全に陥り、政治システムとしての信頼を失った結果、非常事態としてのファシズムが広い層に受容されることとなった。本計画は、このことを念頭に、イタリアにおける代表制がどのような政治的「能力」をもつ代表を求めようとしていたのか、またそれがなぜ破綻したのかを研究することを目的とした。研究を進めるうち、「能力」なるものを同定するに際しての様々な問題がさらに明らかになった。1)計測不可能性、2)事後的計測の問題、3)測定基準の恣意性、4)環境的影響等々がそれにあたる。今後は、こうした問題をさらに検討していくことが必要である。