表題番号:2019C-120 日付:2020/03/26
研究課題憲法機関の協働を通じた生存権の実現枠組みに関する比較法的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 遠藤 美奈
研究成果概要
 本研究は、活発化している社会的・経済的権利の実現方法に関する国際的な議論を参照し分析することを通じて、憲法機関の協働を通じた生存権の実現枠組みの構想を目指すものである。そのため本年度は、人権の実現において司法部と政治部門の間に「対話的救済プロセス」が見いだされる諸国を対象とした研究文献の読解を進めた。この作業を通じて、たとえば南米の事例から、司法と政治部門が協働して社会正義とデモクラシーの双方が促進されうることを理解した。その一方で、対話的アプローチを機能させるには統治機関「間」の内生的な抑制と均衡にとどまらない、民意による統治権力への外生的統制など、一定の条件がありうるとの見通しを得た。