表題番号:2019C-086
日付:2020/05/24
研究課題日独現代文学における「老い」の表現に関する比較研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 文学学術院 文学部 | 教授 | 山本 浩司 |
- 研究成果概要
- 日独現代文学における「老い」の表現に関する比較研究を「人生の回顧」と「認知症」という観点からおこなった。「人生の回顧」では20世紀の災厄を生き延びた作家アイヒンガーとパスティオールが、頑なに沈黙を守っていた経験を晩年になって語りはじめたことに注目し、マールバッハで草稿調査し、その暗号的な自伝的テキストの特性を解明した。「認知症」については、ガイガー、ズーター、イェンスらの作品を林真理子、中島京子らとも比較して、認知症の心理的言語的関心と社会派的関心とが鬩ぎ合う様相を考察した。パスティオールの自伝テキストについて日本独文学会で口頭発表し、石原のラーゲリ詩との比較研究をドイツ語論集に寄稿した。