表題番号:2019C-077
日付:2020/02/13
研究課題「古典中国」における「正」と「統」
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 文学学術院 文学部 | 教授 | 渡邉 義浩 |
- 研究成果概要
- 東晋の習鑿歯が著した『漢晋春秋』は、天下を統一する「統」を最も重視する。そこに、天下の統一を失いった東晋の歴史性の反映がある。そして、「統」を優先しながらも、「王の徳」も重視する。それが「正」である。こうした「正」と「統」の考え方より導きだされたものが、「晋承漢統論」である。この論は、天人相関説が揺らいだ北宋以降に本格化する「統」を重視する正統論の嚆矢となった。とりわけ、「正統論」において重視される三国の蜀漢、就中、諸葛亮の「正」を主張したことは、習鑿歯自身は蜀漢を「正」ではあるが「正」と「統」を合わせ持つものとは考えなかったとしても、後世の蜀漢正統論に影響を与えた。