表題番号:2019C-076 日付:2020/03/22
研究課題首里城出土クメール陶器の考古学的基礎研究:窯跡出土資料との比較から
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 田畑 幸嗣
研究成果概要
本研究の目的は、沖縄県首里城出土資料と、カンボジアの窯跡群出土資料との考古学的比較研究である。2019年度の成果は次のとおり。 アンコール地域東方で発見された窯跡の製品は全て黒褐釉か無釉であり、灰釉が存在しない。製品の種類は基本的に長胴甕であり、肩部に圏線文と波状沈線文が施されている。型式学的には首里城京の内地点出土資料と同種といってよい。14Cの結果は14世紀代の年代だが、首里城出土資料は基本定期に15世紀中葉と考えられているため、年代に齟齬がある。しかし、アンコール地域東方窯跡群は東側の窯ほど新しい年代がでているため、現状では、首里城京の内地点出土資料は、この巨大窯跡群の製品と考えられる。