表題番号:2019C-036 日付:2020/04/09
研究課題判例における因果関係理論の系譜的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 助手 大関 龍一
研究成果概要
⑴ 従来の研究では十分な検討がされてこなかった旧刑法における因果関係の議論に検討を加え、直接原因性を要求する見解が判例・学説の立場であったことを明らかにした。⑵ 現行刑法制定後の大審院判例に網羅的な検討を加え、因果関係の判断方法に関する大審院判例理論を抽出した。具体的には、①事後的行為介在事例においては、行為の結果に対する物理的寄与の有無に着目した判断がなされていること、②余病併発事例や被害者の素因競合事例においては、因果経過の相当性が考慮されていることを明らかにした。⑶ 以上の成果を、論説「刑法上の因果関係論に関する戦前日本の学説と大審院判例⑴⑵」として、早稲田法学95巻2号・4号に投稿した。