表題番号:2019C-028 日付:2020/06/05
研究課題預金の担保化に関する序論的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 助手 小島 庸輔
研究成果概要

 本研究は,普通預金を目的物とする担保(預金担保)についての,序論的研究であり,当初の予定では,主としてアメリカ法との比較により,検討するものであった。

 アメリカ法の預金担保の特徴の1つとして,預金口座に対する担保権は,コントロール(control)によって,対抗要件が具備される(perfected)こと(UCC § 9-312(b)(1)),及び,そのコントロールを基準に,預金に対する担保権間の優劣が決定されること(UCC § 9-327)が挙げられる。このコントロールという法概念は,アメリカ法のUCCだけでなく,後にUNCITRALの担保取引モデル法やEUの金融担保指令(financial collateral directive)といった,国際動向においても採用されるところとなっている。本研究は,それらにも対象を広げ検討を行った。