表題番号:2019C-025 日付:2020/06/01
研究課題留学によるドイツ語学習者の言語使用の変化に関する考察
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 教授 星井 牧子
研究成果概要

 本研究課題では、日本語を母語とするドイツ語学習者(大学生)2名のデータを用い、1年間の留学による学習者言語の変化について考察した。副文のように長く複雑な前域でもXVSが実現される一方、副詞のように短い前域でもXSVが出現するなど、学習者の発話における前域とXVS構造の関係は一定ではなく、揺れが見られた。またポーズや繰り返しなどの指標から、学習者がXVS構造に対して高い注意を向けていることが観察された。副詞などによるXSVは母語話者の発話にも観察されることから、留学により学習者の発話の「話しことば性」が上がっていることも考えられる。今後は母語話者の発話データ智比較することで、学習者言語における話しことば性とその習得についても考察をすすめたい。