表題番号:2018S-208 日付:2019/04/04
研究課題曲がった時空におけるフェルミ粒子の理論の構築と宇宙論への応用に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等研究所 講師 木村 蘭平
(連携研究者) 東京工業大学 教授 山口昌英
(連携研究者) 関西学院大学 研究員 榊原由貴
研究成果概要

宇宙の加速膨張の引き金である正体不明のダークエネルギーは、一般相対性理論だけでは説明できないため、より広い枠組みの重力理論の構築・検証を行うことが、最も重要な課題となっています。これまで一般相対性理論を超える重力理論の研究は多岐に渡り行ってこられましたが、全てボース粒子で記述される理論となっています。素粒子理論の観点からは超対称性理論と呼ばれる、ボース粒子とフェルミ粒子の入れ替えに関する対称性の理論が有力候補として知られているため、フェルミ粒子を含むような重力理論を構築することは非常に重要です。そこで、平坦な時空上でスカラー場とワイル場が相互作用するような理論の一般化を行った結果、これまで知られていた標準理論以外にも、十分な数の拘束条件があれば、不安定性の現れないような理論が存在することを証明し、曲がった時空への応用が可能であることも言及しました。