表題番号:2018S-183 日付:2020/03/13
研究課題ネロ帝の記憶と死後のイメージ形成
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 国際教養学部 講師 福山 佑子
研究成果概要
 本研究では、68年にネロが自殺に追い込まれた後、彼の生前に皇帝を顕彰するために設置された記録物の帝国各地における扱われ方の地域差を明らかにすることを出発点として、彼の同時代評価と69年の内乱を経てネロの「悪帝」としてのイメージがいかに形成されたのかという問題の解明を試みた。特に、データベース等を活用して地域毎の碑文史料におけるネロへの対応の違いを明らかにすることから、69年に即位した皇帝たちの政治動向を分析し、ネロの同時代評価と「悪帝」イメージの形成過程を明らかにした。研究成果の一部を利用した論文の刊行と研究発表に加え、主な成果は今後刊行予定の書籍において公表する予定である。