表題番号:2018S-119 日付:2019/04/08
研究課題Liイオン二次電池電極におけるSEI形成過程の高精度in-situラマン解析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 講師 國本 雅宏
研究成果概要
 本研究では,Liイオン二次電池の負極表面において形成される電解液分解生成物層,いわゆるSEI層の形成をin situで観察し,その形成過程を明らかにすることを目的とした.観察・解析には,本研究者がこれまでに構築してきた表界面分光分析法としての表面増強ラマン測定(SERS)システムを,さらに発展させたシステムを応用した.電解液にはEC/EMC+1 mol/L LiPF6を,負極にはグラファイト,そして正極にはLiCoO2を,それぞれ適用した.解析の結果,SEI形成は2つの電圧領域で生じることが明らかになった.より正の電圧領域で形成されるSEI層は不安定であり,SEI層形成と成長には主に,2つの中でもより負の電圧領域である第二段階が大きく寄与するものと示唆された.