表題番号:2018S-066 日付:2019/04/08
研究課題中華民国による台湾接収と留日知識人――台湾大学における陶晶孫
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 准教授 中村 みどり
研究成果概要

 

 知日派の医学者・文学者として知られ、日本占領下の上海に留まった陶晶孫が戦後国民政府により台湾に派遣され、旧台北帝国大学、接収後の台湾大学の医学部教授に就任した歴史的背景を考察するため、台湾・台北にて資料収集を行った。

 陶晶孫が台湾に在住した時期は二・二八事件をはさみ、台湾大学でも本省人と外省人の対立、さらに残留を依頼された日本人が加わり、複雑な権力・文化的な構造が形成されていた。

 現在台湾では、当時の歴史を多層的に再考する研究がすすんでいる。報告者は、中央研究院の林美莉研究員および孫慧敏研究員のアドバイスのもと、同研究所にて関連資料の調査を行った。成果を踏まえて、研究論文の準備に取りかかりたい。