表題番号:2018S-057 日付:2019/04/04
研究課題特許審査請求手数料・特許料の減免制度が中小企業の特許出願行動等に与える影響
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 准教授 大西 宏一郎
研究成果概要

2000年に導入された中小企業に対する特許の審査請求手数料・特許料の減免制度は、中小企業におけるイノベーションによる収益性を高め、彼らの研究開発意欲を引き出す重要な政策手段である。しかし、実際にこれらの制度がどの程度中小企業の企業行動に影響を与えているのかは十分に明らかになっていない。そこで本研究では、特許の減免制度の利用が企業のイノベーション活動にどのような影響を与えるのかを分析した。現時点で得られている分析結果を述べると、制度利用によって、企業の特許登録率は上昇し、特許の存続期間も延長される一方で、特許の質の低下は見られないという結果を得ている。今後は本結果がどの程度頑健性のある結果と言えるのかを、厳密に検証する予定である。