表題番号:2018S-028 日付:2019/03/20
研究課題ハンガリー・ジャゴバン主義の「王のいる共和政」理論に対するロベルピエールの思想的影響に関する国際比較研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 中澤 達哉
研究成果概要

 科研費等の従前の研究において、非フランス世界におけるジャコバン主義の多様性を確認しつつ、「王のいる共和政」と「王のいない共和政」の共存という近代西洋共和主義における新たな側面の通時的・動態的把握の方法とその分析枠を提示することができた(拙稿「ハンガリー初期ジャコバン主義の「王のいる共和政」理論」(森原隆編『ヨーロッパ・共生の政治文化史』成文堂、2013年、84-105頁)。

 しかし、そこで対象外となっていたのが、非西欧世界のジャコバン主義とフランス・ジャコバン主義との関係性、特にハンガリー・ジャコバン主義に対するロベスピエールの思想的影響関係の考察であった。ジャコバン・ネットワークの検証は、現地ヨーロッパでも未だ展開をみない新たな研究分野である。

 特定課題研究を通じて、まず初期ロベスピエール(1792年8月以前)における「王のいる共和政」論の存在を確認したほか、初期ハンガリー・ジャコバン(17938月)におけるロベスピエールの自然権思想の反映を実証することができた。