表題番号:2018S-025
日付:2019/04/05
研究課題リベラルな国家の境界線の道徳的基礎づけ
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 法学学術院 法学部 | 准教授 | 郭 舜 |
- 研究成果概要
- 本研究の目的は、法哲学的観点からリベラルな国家の境界線の道徳的基礎づけとその限界を明らかにすることであった。国境の外のある個人と内側の別の個人の取り扱いを異にすることを正当化するためには、境界線を引くことが一般に正当化されるというのでは不十分であり、「この」境界線を正当化する原理は何かを示す必要がある。同意のほか、近接性、ネーション、国家の成立過程などの線引きのための代表的な原理を取り上げ、それらがどこまで境界線の根拠となるかを検討した。国家の境界線の問題は、むしろリベラルな国家が立脚する民主主義的原理に即して論じられなければならない。リベラルな国家の境界線=構成員資格は恣意性を含まざるをえないが、恣意的な境界線による参加資格の剥奪に対しては代償が払われる必要がある。これがグローバルな道徳的義務に濃淡があることを基礎づける。