表題番号:2018S-024 日付:2019/04/07
研究課題刑法における因果関係の判断方法について
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 助手 大関 龍一
研究成果概要
⑴ 本研究では、明治期における刑法上の因果関係に関する学説に検討を加え、わが国における因果関係論の系譜と、初期の学説の発展過程を明らかにした。
⑵ 本研究では、因果関係論に関する裁判例に詳細な検討を加え、被害者の素因競合類型、被害者の動作・行為の介入類型、第三者の行為の介入類型、不作為の因果関係の類型それぞれにおける、裁判例の事実認定および判断枠組みの特色を明らかにした。また、近時の裁判例のうち、行為者自身の救助的行為が介入する事例群に関するものについての判例研究を行い、裁判所が、当該事例群の処理にあたって特別の規範的考慮を行っている可能性があることを明らかにした。