表題番号:2018S-015 日付:2019/03/29
研究課題宝巻文学と中国女性文化との関わりについての研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 准教授 辻 リン
研究成果概要
本研究は、宝巻の変遷史において、従来「沈衰期」とみなされ、ほとんど注目されてこなかった時期を切り口として、宝巻文学と女性文化との関わりを明らかにすることを試みてきた。 2018年度は、いくつかのモデル作品を取り上げ、民間信仰と文学と関わりの視点から、宝巻がいかに継承されていたのか、その内容がいかなるものか、という問題について、特に宝巻を受容し継承する文化活動の担い手としての女性に着目し考察した。具体的には、作品の形式と内容、信仰対象の変化について分析し、それを通して民間教派による物語宝巻の伝播、俗曲の流行り廃りによる宝巻スタイルの変化過程、信仰対象の変化による物語の変容にまつわる諸問題を明らかにした。