表題番号:2018K-433 日付:2019/03/29
研究課題西魏・北周墳墓画像による北朝後期社会の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 本庄高等学院 教諭 三崎 良章
研究成果概要

 本研究では、西魏・北周の社会・文化はどのように展開し、北魏時代との継続性はどの程度存在するのか等を、寧夏回族自治区固原市で発掘された北周時代の李賢夫婦墓・宇文猛墓・田弘墓の壁画を用いて検討した。

 その結果、北周墳墓の壁画には農耕や牧畜などの生産の場面や宴飲などの墓主の生活の場面の画像は見られず、墓道等に描かれた武士や門楼、墓室に描かれた侍女の画像が中心であること等が明らかになった。これらの特徴は隋唐代の史射勿墓や梁元珍墓壁画に近似することから、北周の墳墓画像は北魏前期との連続性よりも、隋唐につながる性格をもち、北魏後期から西魏の時期に中国北部の社会は大きく変動したことが想定されるのである。