表題番号:2018K-393 日付:2019/04/08
研究課題中国主導のアジア地域協枠組みに対する韓国歴政権の政策動向に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 大学院アジア太平洋研究科 教授 李 鍾元
研究成果概要
本研究では、アジア相互交流信頼醸成措置(CICA)を中心に、中国が主導するユーラシア地域協力枠組みに対する韓国の歴代政権の政策を分析した。1992年にカザフスタンの提唱で創設された同機構に韓国は93年からオブザーバー参加し、2006年から正式加盟国となった。同機構は中露と中央アジアが中心であり、日米などはオブザーバー参加にとどまっている。韓国の歴代政権は保守と進歩を問わず、ユーラシア地域協力への関わりに積極的であるが、同地域への経済的関心に加え、北朝鮮問題を視野に入れた外交的地平の拡大がその背景として指摘できる。しかし、韓国は米国との同盟関係に配慮し、CICA首脳会議に外相や統一相の派遣にとどまり、信頼醸成の分野でもエネルギー安全保障やIT協力などに注力するなど、一定の距離を保つ姿勢を維持している。こうした協力の実績を踏まえて、韓国政府が力を入れる北東アジアの地域協力体制の構築につなげられるかが課題である。