表題番号:2018K-365 日付:2019/04/04
研究課題新しい身体活動教材としてのパントマイムの心理学的および動作学的解析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 スポーツ科学部 教授 彼末 一之
(連携研究者) 獨協大学 珠江 依田
研究成果概要

身体表現の一つに「パントマイム」がある。本研究では、よく知られている「壁」を取り上げ、①観客に錯覚を起こさせる動作の特徴、②演技動作と観客の視覚的認知の関係を明らかにすることを目的とした。プロパントマイム演者5名の「壁」の演技を①「手」条件2パターン(「自由に緊張と弛緩」・「手をずっと緊張」)、②「体幹」条件2パターン(「手のみを動かす」・「手と体幹を動かす」)、③「速度」条件3パターン(「自由な速さ」・「速い」・「遅い」)の組み合わせで12条件を撮影したものを被験者に演技者毎に2つずつの動画を見せ、比較させた。被験者は左右に並べられた2つの動画のどちらが「壁として見えるか」を左側の動画を基準にして右側の動画に対して0(ゼロ)を含む-3(見えない)~+3(見える)で回答した。そしてどの動画(動作パターン)が最も壁に見えるかの順位づけを行った。パントマイム未経験者19名を対象として実施した結果より、手指の弛緩が行えないと壁は見えにくくなり、壁の「硬い平面」の特徴を表現すると考えられる手の緊張と弛緩において、最も重要な点は壁に触れる“瞬間”に手を緊張させることといえる。