表題番号:2018K-341 日付:2019/04/09
研究課題ロボットによる認知症の行動心理症状(BPSD)への対応技術開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 加瀬 裕子
(連携研究者) 社会科学学術院 助教 山崎竜二
研究成果概要
 BPSDの存在は、高齢者介護福祉施設や自宅における介護を困難にする要因の一つである。 BPSDへの対応は、発症時よりも患者の日常のコミュニケーション促進が重要であるため、グループ回想法(RGT)が効果を認められているが、介護人材不足により現場では実施されることが少ない。一方、ロボットメディアの研究では、認知症に対応するものとして、遠隔操作型のテレノイド等が開発されているが、認知症に対応する会話基本形が開発できていないため、殆ど実用に至っていない。対象にあわせたキーワードに沿って「簡単で適切な会話モデル」を開発することが本研究の最終目的である。人間によるRGTとテレノイドによるRGTを実施し発話数・形態素解析・N‐gramにより効果を測定したところ、参加者の半数が有意に人間によるRGTでの発話数が多かったが、半数はロボットが行った回想法でも有意な変化は示さなかった。また、1名の参加者についてはテレノイドの方に親和性を示した。