表題番号:2018K-339 日付:2019/04/07
研究課題新疆カザフ難民の「その後」:トルコ-台湾間の往還/台湾定住に注目して
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 助手 小野 亮介
研究成果概要

本研究では、1950年代前半にトルコへ移住した新疆カザフ難民のその後に焦点を当てた。報告者のこれまでの調査によって、難民2世が台湾に留学したことが判明したが、本研究では留学の実態を解明すべく、元留学生A氏にインタビュー調査を実施した。

留学生は第110名が1971/72年、A氏を含む第212名が1978年に派遣された。国民党政権が彼らを招へいしたのは「反攻大陸」に向けた人材の確保にあったと思われる。留学生は語学学校を修了後に様々な大学へ進学したが、その後台湾に残留した者はほぼ皆無だった。この点で当初の目的は達成されなかったようだが、A氏自身がトルコ/台湾・中国関係の開拓に貢献したように一定の成果も挙げたと言える。