表題番号:2018K-334 日付:2019/02/01
研究課題祖先タンパク質再構成による初期地球生物圏の環境pHの推定
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 准教授 赤沼 哲史
研究成果概要
地球上で最初の生命が誕生した前後の初期地球における生物生息圏の環境pHついては、いくつかの議論があるものの、当時の地質学的情報が少ないため、未だに明確な知見は得られていない。本研究では、進化系統解析と遺伝子工学的手法によって復元した、全生物の共通祖先が持っていたと推測されるタンパク質の安定性のpH依存性を測定した。復元した全生物の共通祖先タンパク質は中性で最も安定であり、酸性とアルカリ性では安定性が大きく低下した。同様の傾向が、中性環境に生息する現存生物の複数のタンパク質でも見られた。以上の結果から、全生物の共通祖先は中性環境に生息していたと推定された。