表題番号:2018K-333 日付:2019/04/08
研究課題「衰退する」農村コミュニティに関する人類学的エスノグラフィー
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 准教授 竹中 宏子
研究成果概要

 

   本研究は、島根県隠岐の島町でも周縁地域とされる五箇地区(旧・五箇村)を対象に、経済的な利益追求のみに止まらない地域活動を続ける人々が、そういった活動にまで至らない人々をどのように取り込むのか、その契機や過程を、人類学的なエスノグラフィーを通して明らかにすることを最終的な目標と定め、対象地域の把握とアクターの選出検討を目的としている。研究期間内には、人類学的なフィールドワークを2回行い、主に歴史的な文献を収集し、その読み込みを進めた。そこでは特に聞き取り調査から、隠岐の島町の中でも五箇地区が内外から特別視されている点を把握できたので、隠岐の島町の表象(観光の視点を含めた)と五箇地区との関係性を人類学的な議論として考察しているところである。また、五箇地区で地元産業の活性化を促すアクターの行動や発言から、島嶼部である隠岐の、さらに周縁に位置するといえる五箇地区から、現代社会を見据えた「つながり」が発信されている様相を捉えつつあり、現在、これらを論文にまとめる作業を行っている。