表題番号:2018K-329 日付:2019/03/20
研究課題首都圏における貧困世帯・生活困難世帯の空間的分布と生活実態に関する計量的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 橋本 健二
研究成果概要
 本研究は、2015-2018年度の科学研究費補助金(基盤A)「大都市部における格差拡大の進行過程とその社会的帰結に関する計量的研究」に付随して、収集した統計データのより詳細な分析を進めるとともに、2016年度に実施した質問紙調査データに回答者の居住歴情報を付加して、貧困層の多い地域の分布およびその変化、住民の居住地および居住歴を分析することを通じて、貧困層および貧困層の多い地域の形成過程を明らかにしようとするものである。分析の結果、(1)首都圏ではかつて貧困層は都心から周辺部に幅広く分布していたが、近年では都心部で減少し、都心からの距離が大きいほど貧困層比率が高くなっていること、(2)貧困層は出身地または旧住地に定着する傾向が強いのに対して、富裕層は周辺部から都心部へと転居する傾向が強く、このため都心でジェントリフィケーション、周辺部では貧困比率の上昇してきたことが明らかとなった。