表題番号:2018K-321 日付:2019/04/03
研究課題地球温暖化問題におけるシェリングのパラドクスの研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 教授 赤尾 健一
研究成果概要
温暖化問題におけるシェリング(1995)のパラドクスは、利他主義とは何か、世代間衡平とは何かを問うものである。本年度は次の仮設課題を得た。ヒュームの道徳感情は、自然主義的な人間本性としての利他主義として、現代の脳科学的なアプローチに結び付く。現代のコミュニタリアン的な道徳理解からは、道徳(人々が善いと思うこと)は時代とともに変容するものであり、利他主義は、現代に特有の道徳と言説、実践に影響されている。自然主義的道徳理解や世代間衡平を巡る言説に対する批判的検討等を通じて、利他主義がどのように分節化され、世代間衡平に関わる道徳を生み出しているのかを明らかにすることが課題となる。