表題番号:2018K-266 日付:2019/04/03
研究課題古細菌アクチンの精製と解析 - 真核生物アクチンの起源を求めて-
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 上田 太郎
(連携研究者) 先進理工学研究科 物理学及応用物理学専攻 大学院生 柳瀬雄太
研究成果概要
 真核生物の起源は極めて興味深い生物学的な問題であるが、真核進化にともなって生じた様々な変化のうち、配列保存性が高くかつ多機能という真核型アクチンの出現は、その最初期に起きた重要なイベントであろうと推測した。
 またこの点に実験的にアプローチするため、真核生物の起源に近いと考えられる古細菌Lokiarchaeumのアクチン(Loki actin)の構造と機能解析を行っている。その前提としてLoki actinを生化学的に調製する必要があるが、われわれは先行研究において、大腸菌を用いた発現系でLoki actinを発現しても、正しく折りたたまれないことを見いだしていた。そこで真核細胞発現系として細胞性粘菌をを用いたところ、発現レベルが低く、生化学的解析に必要な量を得ることができなかった。この結果を受け、昆虫細胞の発現系を試みることとし、発現用のバキュロウイルスを作成した。