表題番号:2018K-248
日付:2019/04/08
研究課題痛風における尿酸ナトリウム―水和物結晶の析出挙動の解明
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 講師 | 小堀 深 |
- 研究成果概要
痛風は、高尿酸血症を長期的に疾患する事で尿酸ナトリウム一水和物(MSU)結晶が析出し、関節や軟組織に沈着することにより引き起こされる結晶誘導性関節炎である。本研究はリン酸緩衝液を用いて関節液をモデル化し、MSU結晶の析出挙動を解明することを目的とした。
はじめに、尿酸の初期濃度を0.6 mMから2.4 mMまで4点変えて実験を開始し、濃度の影響をSEMで観察した。いずれの濃度においても初期には粒状結晶が観察され、次第に針状結晶へ変化する挙動が観察された。2.4 mM の場合、2週間静置と1か月静置のSEM画像を比較すると、針状結晶の長径と短径がいずれも大きくなっており、MSU結晶の個数も増えていることが分かる。よって、MSU結晶は一度析出すると成長と核化が同時に起きると考えられる。
HPLCを用いて継時的な溶液の尿酸濃度の変化を測定した結果、どの濃度においても時間経過による尿酸濃度の減少を検出できた。高濃度の2.4 mMでは、濃度の相対的な減少量が大きく、MSU結晶の析出が二次核化を誘発することが考えられた。