表題番号:2018K-241 日付:2019/04/01
研究課題二酸化炭素を炭素源として再利用するための材料探索に関するシミュレーション研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 国吉 ニルソン
(連携研究者) 創造理工学部 教授 山口勉功
(連携研究者) 創造理工学部環境資源工学科 学部4年 井上岳紀
(連携研究者) 創造理工学部環境資源工学科 学部4年 栗原令奈
研究成果概要
シリコン結晶(100)面上で二酸化炭素分子が起こす反応をシミュレーションした.まず,吸着反応の活性化エネルギーは約 3 kcal/mol と小さく,二酸化炭素は簡単に Si(100) 上で吸着されることがわかった.吸着された CO2 の構造として,C-O結合の一つが Si-Si ダイマーの上に載った形となる.吸着後の CO2 は,気相から近づく H2 分子と反応して,HCOOH (ギ酸)となって脱着する可能性はあることを明らかにした.この反応の活性化エネルギーは約 20 kcal/mol であり,気相中で CO2 + H2 から HCOOH を生成させる場合の活性化エネルギー (74 kcal/mol) よりも小さい.つまり,シリコン結晶には,CO2 の還元反応を促進させる触媒作用があることを示唆した結果を得た.