表題番号:2018K-195 日付:2019/04/02
研究課題非平衡熱力学系の変分的定式化とディラック幾何学に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 吉村 浩明
(連携研究者) Ecole normale superieure in Paris CNRS researcher Francois Gay-Balmaz
研究成果概要
非平衡熱力学的な法則を定めるStueckelbergの公理に基づき,局所平衡条件の仮定から系全体の態を質点の位置と速度で表される態変数と各時刻で局所的な平衡にある熱力学的変数としてエントロピーを定め,離散的純孤立系についての考察を行った.系の一般化ラグランジアンを導入し,熱力学系の変数たす現象論的な拘束とそれに付随する分的拘束の元でラグランジュ・ディラック系の変分的定式化を提案した上で,熱力学的状態空間上のディラック構造を明らかにした.この理論は熱ピストン問題や熱的な消散を含む電回路,イオン膜輸送や化学反系,さらに,化学反を含む粘性熱流体系などの幅広い系に適用可能であることを示した.