表題番号:2018K-145 日付:2019/02/07
研究課題22億年前の全地球凍結の新たな証拠とその意義:巨大氷河の広がりと大気酸素の誕生
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 太田 亨
研究成果概要

 本研究では,22億年前に発生したスノーボール・アース事変がインド北東部スィンブーム地塊においても記録されているのかを,土壌化学組成と,凍結亀裂と考えられる堆積構造の幾何学解析から検証した.

 土壌化作用を風化指標W値で吟味したところ,22億年前は温暖湿潤気候から氷雪気候へ推移したことを示した.土壌亀裂の幅・深さ・間隔などは,現世の凍土に発生している凍結亀裂と幾何学的性質が一致した.したがって,堆積当時,永久凍土ないしは季節凍土が存在していた.今回の結果は,22億年前の寒冷化がインドにまで広がっており,真に全地球規模の寒冷化イベントが発生していたことを裏付けることになる.