表題番号:2018K-134 日付:2019/04/06
研究課題新しい荘園現地調査法の確立と荘園制成立史の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 高木 徳郎
研究成果概要

荘園制をめぐる近年の研究動向は、その成立期を対象にした「立荘」論、また展開・変質期を対象とした室町期荘園論の2つに議論に代表されると言ってよいが、両者ともに荘園を支配する側の視点から立論されている点に大きな特徴がある。

うした研究動向に対し、本研究では、改めて地域社会の動向を議論の基底に組み込んだ荘園制論を再構築するための現地調査法の確立を目的とし、基礎的な資料収集を行った。

具体的には、紀伊国和太荘の現地において、公文として年貢徴収などの実務にあたった林家に残された膨大な中世文書の分析を行うため、その翻刻作業を行った。また、室町期荘園制下の幕府・守護と荘園現地の上層住民との関係を可視化していると考えられる香川県三豊市の仁尾賀茂神社に残る長床神事の調査を行った。