表題番号:2018K-130 日付:2019/02/08
研究課題文学作品を通じた英語プレゼン能力の向上:能動的学修と協同学習の効果の検証
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 准教授 和氣 一成
研究成果概要
本研究は、大学の英語導入科目において短編小説などを題材に、批評理論を用いて作品を分析・考察し、ディスカッションやプレゼンテーションを行う能動的学修や、協同作業を重視した授業が、学生の英語発信能力向上にどのような効果をもたらしうるかの検証を目的としている。専門学習と語学学習を並行して行うCLIL型の1年次必修科目において、半期間の実験授業を、異なる学生 (18名ずつ) を対象に2(春・夏学期と秋・冬学期)実施した。プレゼンやディスカッションなど能動的学修を多く行い、ペア・グループワークなど協同作業も毎回行った。また、プレゼンの仕方や使用すべき表現も表現集(25ページ)を配布して授業内で説明して練習させた。また学生のプレゼンに対しても、フィードバックを可能な限り与えた。データ収集は、実験授業の受講前と受講後の2回、即興のプレゼンを録画し (各学生約3)、その変化を観察した。得られたプレゼンの録画は、事前に設定した評価シートに基づき教員2名による評価 (授業担当者1/日本人教員1)で行った。ノンバーバル面では、不適切な姿勢(スクリーンを見ながら後ろ向きでプレゼンする)が減り、その結果としてアイコンタクトやジェスチャーを適切に行うことが増えた。また、内容面でも、PPTの箇条書きをそのまま読み上げることが減り、適宜つなぎ言葉を使用したり、各PPTの最後にまとめを入れたりと、プレゼンテーションとしてのまとまりを意識する傾向がみられる結果となった。一方で、バーバルデリバリー面では、声量については概ね問題ないものの、話し方としては文レベルでのまとまりに欠けることも多く、強調については、適切なメリハリをつけたプレゼンができた者は、若干名にとどまり、今後の指導で改善が必要であるとわかった。今後は、強調やメリハリのつけ方等のマニュアルを作成し、授業内で指導・練習を行い、改善を行う予定である。