表題番号:2018K-100 日付:2019/03/28
研究課題荘園から城下町への変遷に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 海老澤 衷
研究成果概要

 2015年度に採択された科研基盤研究(A)「既存荘園村落の情報のデジタル・アーカイブ化と現在のIT環境下における研究方法の確立」(研究代表者:海老澤衷)においては、パイロットモデルとして和名抄郷から出発し、千年以上の持続性を有する豊後国田染荘(大分県豊後高田市)、カレントモデルとして古代に開発特区として成立した美濃国大井荘(岐阜県大垣市)を研究してきた。

 荘園の全体像は未だ明らかでないが、ここでは千年単位で考察を加え、荘園から城下町へと変貌した実例を解明することによって、日本における荘園のサスティナビリティーを明らかにしたい。すでに、このような視点に立って美濃国大井荘→大垣城下町の変遷について考察したが、今回は①荘・郷から城下町への変遷、②荘園の水田灌漑から城郭の堀割と武家屋敷・商家の生活用水との関係、③交通上の変化などを視野に入れ、その変遷の特徴を考察する。また、16世紀に発達した荘園内の城郭についても、山城のみならず、領主の館についても様々な角度から究明した。