表題番号:2018K-098 日付:2019/03/11
研究課題『集神州三宝感通録』における五臺山の表象
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 肥田 路美
研究成果概要

2018年度から四年間の計画で遂行している科研基盤Cの研究課題を補完するべく、『集神州三宝感通録』巻中第四九縁・巻下で道宣が「聖寺」として詳述している五臺山に焦点を当てた。五臺山は、南北朝時代から文殊示現の仏教的聖地として特別視され、則天武后政権との結びつきに例を見るように世俗権とも密接に交渉しつつ権威を高めていった。五臺山を主題とした造形では、莫高窟61窟奥壁の《五臺山図》に代表される宋代の大画面壁画をはじめ、釈迦の降誕からの仏伝図を屏風画形式で描くものに付随した例が注目される。そこで、実作例と個別の史料から五臺山がどう表象されたかを押さえながら、道宣がそれをどのように評価していたかを考察した。