表題番号:2018K-077 日付:2019/03/24
研究課題戦国大名権力における意思決定手続きの研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 久保 健一郎
研究成果概要
  本特定課題では、戦国大名権力の意思決定過程を明らかにする前提として、あらためて戦国大名北条氏使用以前の「大途」を検討しつつ、15世紀半ば以降の大名・領主のイエを捉えかえした。その結果、少なくとも管見の限りの史料では、「大途」=具体的な人格とはならないことを明らかにした。ただし、抽象的重要性・重大性を示すものが具体的人格とオーバーラップしていくことは十分ありえる点に留意し、堀越公方府において一定の軍事力を担っている人物が「大都」(「大途」としばしば混用される)と表現されていることも確認した。以上のことから、「大途」といわれるような大名・領主の権力における頂点が15世紀半ば以降しだいに形成されていく点をより明確にする成果を得た。