表題番号:2018K-069 日付:2019/05/22
研究課題慰霊碑および平和像に関する基礎的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 講師 奥間 政作
研究成果概要
 本研究では「ひめゆりの塔」が最初に設置された1946年から現在の形態に落ち着く1957年にかけての塔の造型を調査した。当初、金城和信らによって石造りの簡素な塔(現存)が設置された後、沖縄のキリスト教関係者によって十字架を備えた納骨堂(一部現存)が建立され、玉那覇正吉によって「乙女の像」(現存せず)が設置されるなど、数度の変遷を遂げた後、現在の形に落ち着くこととなる。「ひめゆりの塔」は「平和」を訴えるモニュメントとしての役割を担ってはいるが、造形の変遷からすれば当初から計画的に建立しようとしたものではなく、米軍統治下に置かれた沖縄の戦後の社会状況 によってその造形を変化させてきたことが判明した。