表題番号:2018K-067 日付:2019/04/04
研究課題フェティシズムの思想史-19世紀西洋における「所有する主体」の誕生と身体
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 橋本 一径
研究成果概要

フェティシズムの概念の思想史的な研究である本研究において、本年度は主として以下の2つの点で進展があった。

①フェティシズムとは、所有に還元することができない物に対して、西洋文化が与えた名前である。この観点から「所有」の問題に着目する本研究は、所有の主体である法的主体が、いかに「擬制」として成立するのかの解明を目指した。それが「肉」から「紙」への生成変化のプロセスであるとの仮説のもと、戸籍の歴史を、人を紙に変化させる技術の歴史として考察し、論文を執筆した。

②肉体を所有することの禁止と、肉体を食べることの禁止の解明を目指して、「カニバリズム」に注目し、分担執筆および編著書として2冊の書物を刊行した。