表題番号:2018K-062 日付:2019/03/11
研究課題近世国学における四声観・アクセント観についての研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 上野 和昭
研究成果概要

 江戸中期に刊行された釈文雄の『和字大観鈔』は日本語(京畿)アクセントを独自の方法によって記述したことによって有名である。それは、当時の中国語音の四声にもとづき、日本語を適切な単位(四声単位)に分割して、それぞれに相当する四声を割り当てれば、どんなに難しい音調や特殊な読み方であっても、すべてのアクセントを記述することができるというものである。これまで文雄のアクセント表示は、難解とされ、不完全と評されてきたが、文雄は、日本語の「四声単位」を四声の枠組みで説明しつくそうとした。これまで文雄は新しいアクセント表記法を考案したとされてきたが、そのじつは四声を用いて説明しようとしたのである。