表題番号:2018K-056 日付:2019/04/07
研究課題イギリス戦間期のタブロイド紙『デイリー・メール』にみる連載小説の解読
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 渡辺 愛子
研究成果概要
  本研究課題では、20世紀の前半に人気を博したタブロイド紙『デイリー・メール』の〈国内版〉と、それとはまったく異なるコンテンツを掲げた〈海外版〉が唯一「共有」していた連載小説の分析を当初の目的としていたが、そのまえに、海外の本紙の受容者について把握するため、〈海外版〉の読者層についてより深く追究した。
 海外の「帝国建設者たち」は、国内の『デイリー・メール』読者(下層中流階級や労働者階級)とは根本的に異なったエリート層であった。今回の研究で、〈海外版〉の編集者たちは、本誌を購読することがすなわちイギリス帝国の支持者であるという言説を作り上げ、読者層を増やすことに成功していたことがわかった。