表題番号:2018K-055 日付:2019/03/18
研究課題『心性罪福因縁集」の註釈と思想研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 吉原 浩人
研究成果概要
 本研究は、平成27~30年度科研費基盤研究(C)「院政期・摂関期の宗教思想研究―菅原文時と永観を起点に―」(課題番号15K02087)の補完経費として申請した。『心性罪福因縁集』三巻は、日本では永明延寿の著書として受容されてきたが、2018年2月に刊行した『中世禅籍叢刊』第12巻「稀覯禅籍集 続」(臨川書店、解説・翻刻吉原担当)において、日本撰述であることを証明した。本研究では、まず全文註釈刊行のための読解作業を進めた。思想内容の面では、本書と天台本覚思想の関わりの講演を行い、書誌学の見地から、院政期古写本と版本の関係を分析した。さらに関連書籍を購入し、奈良・愛知・京都に出張して知見を得ることができた。