表題番号:2018K-004 日付:2019/04/13
研究課題違憲審査制の比較研究――熟議過程の構成要素という視点から
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 教授 川岸 令和
研究成果概要
 本研究は、討議され熟慮された意見が市民の間に広く共有され、それが共同の意思決定に活かされるようになる具体的方策の1つとして、多数派に依拠する政治過程を分節化し熟議を促進する仕組みである違憲審査制に注目する。現代の政治過程は、政党が重要な地位を占め、多かれ少なかれ数に依存する。一方、裁判過程では、手続的な枠組みによってより理を尽くした討議が中心となる。しかも、違憲審査は多数決主義的な政治過程の結論を覆す効果を伴う。政治過程と裁判過程が各々に特徴を発揮すれば、分節化された公共の意思決定過程が実現し、より熟慮され洗練された意見が影響するようになる。違憲審査の実態と適切な機能の条件を探求した。