表題番号:2018K-001 日付:2019/04/11
研究課題日米政治リーダーの演説変化をめぐる実証研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 教授 ソジエ内田 恵美
研究成果概要

     戦後の日米政治リーダーの演説をHalliday1994)に基づいて分析し、政府側の国民に対する意識の変容を検証した。日本首相による所信表明演説では、戦後直後は、「考えます」「思います」などの個人の内的意識を述べる心理過程の割合が高かったが、時代が進むと減少し、次第に「進めます」「取り組みます」と言った、国民への約束や働きかけなど外的行動を表す物質過程が増加した。それに対して、米大統領の就任演説では、一貫して物質過程が高く、心理過程は低比率を維持した。日本首相は有権者に対してアカウンタビリティを果たさなければならないという意識が徐々に高まってきたのに対して、米大統領のそのような意識は一貫して高かったと解釈できよう。