表題番号:2018B-338 日付:2019/04/08
研究課題坂口安吾の作品とメディアミックスの問題の考察 
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 時野谷 ゆり
研究成果概要

本研究では、坂口安吾の小説「桜の森の満開の下」(『肉体』一九四七・六)と「夜長姫と耳男」(『新潮』一九五二・六)から、野田秀樹の脚本・演出による歌舞伎「野田版 桜の森の満開の下」(二〇一七年八月上演)への翻案について考察を行った。歌舞伎版は、一九八九年初演の「贋作 桜の森の満開の下」をベースにしながら、天智天皇の崩御から壬申の乱勃発を背景とする時代設定、人間と鬼が混在する世界という空間設定、耳男を夜長姫との関係性を軸とする大まかな物語を踏襲しながらも構成を変化させており、歌舞伎に特徴的な七五調のリズムを重視しながら台詞も改変し、歌舞伎独特の世界を創出している。