表題番号:2018B-319 日付:2019/06/27
研究課題インドネシア首都圏中間層における宗教的保守化
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 大学院アジア太平洋研究科 准教授 見市 建
研究成果概要

近年インドネシアでは「イスラームの保守転回」(conservative turn)がいわれている。2016年末以降のジャカルタ州知事の「宗教冒涜」発言に対する抗議運動は、その最も顕著な現象であるとされる。本研究は抗議運動の中心となったジャカルタ首都圏の中間層における「保守化」の実態を明らかにした。具体的には、新興の宗教集団マジェリス・ラスルッラー(預言者の会)メンバーによる抗議運動参加の過程、州知事への抗議運動の大統領選挙への発展過程とその政治的インパクトを分析した。とくに前者の研究は、これまでのイスラーム主義とスーフィズムの二項対立を克服し、「保守化」のみならず、インドネシアのイスラーム運動の捉え方に一石を投ずる研究である。