表題番号:2018B-308 日付:2019/02/05
研究課題量子化学計算による海底熱水噴出孔における有機分子の酸化還元反応過程の解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 国際教養学部 教授 稲葉 知士
研究成果概要
水は圧力や温度を操作できるため有用な溶媒であると考えられる。本研究において、メタノールの酸化還元反応における水分子の効果について調べた。水溶液中におけるメタノールの酸化反応は、メタノールのヒドロキシ基のプロトンが近くの水分子に移動することで始まる。移動したプロトンは別の水分子を経由して、メタノールのメチル基のプロトンと結合することで水素分子を形成する。メタノールを酸化するためのエネルギーバリアは、プロトン輸送を助ける水分子の触媒作用によって下がる。水クラスタが絡んでプロトン輸送を助けると、エネルギーバリアはさらに下げられる。理論的な反応速度は、実験で得られる反応速度に一致した。