表題番号:2018B-187 日付:2019/04/03
研究課題生体運動システムの自律性とデザイン原理の総括
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 上田 太郎
(連携研究者) 先進理工学部 応用物理学科 助手 山崎陽祐
(連携研究者) 先進理工学研究科 物理学及応用物理学専攻 大学院生 湯本天嗣
研究成果概要
アクチン繊維に、in vitroで張力をかけたりアクチン結合タンパク質が結合すると、繊維の原子構造が長距離にわたって協同的に変化し、さらに、それによってアクチン結合タンパク質との親和性が制御される(長距離アロステリー)。これによってアクトミオシンの力発生や、コフィリンによるアクチン系細胞骨格の再構築も調節を受けるため、アクチン繊維の長距離アロステリーが細胞運動の自律的制御に重要な機能を果たすのではないかと考えている。本研究では、(1)in vitroで、2次元面上に押しつけたアクチン繊維のメッシュワークにミオシンIIとコフィリンを加えたときに、長距離アロステリーに基づいてコフィリンとミオシンIIが自発的に分かれた領域を形成することを見いだした。(2)われわれが以前同定した酵母細胞内でのアクチン機能を阻害するアクチン変異と、その抑制性変異を用いて、標的となるアクチン結合タンパク質の生化学的な探索を進めた。