表題番号:2018B-149 日付:2019/05/07
研究課題金属スペースデブリの蒸発による非デブリ化
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 宮下 朋之
(連携研究者) 理工学術院 助教 三浦智
(連携研究者) 理工学術院 准教授 パルケ・ビクター
研究成果概要
宇宙空間に存在する構造物の非デブリ化を可能とする新たな技術を構築するものである。宇宙空間における高真空環境及び輻射熱入出力が支配する特徴を活かして、熱環境(断熱・輻射)を最大限に活用し、構造物の主要材料であるアルミニウムを気化温度へ到達させ、宇宙空間に放出するものである。地上においての既存技術を活用し以下のような検討を実施した。
①非デブリ化対象衛星への熱源素子の取り付け方法の考案
 機能停止した人工衛星は回転運動しており、その衛星を非デブリ化するための機器を設置する技術の考案及び好適の検討
②高真空環境及び輻射熱入出力環境におけるアルミニウムの気化手順および条件の明確化
 高真空環境において、太陽光にによる輻射熱入力を効果的に利用することによるエネルギを低減した加熱方法の検討
③気化したアルミニウムの飛散管理手法の確立
 宇宙空間において、構造物の破壊を生じさせないデブリの粒子寸法として粒径が0.1mm以下であるという基準を充足することが必要である。一方、この飛散粒子をイオン化して電場を通して加速することにより、イオンエンジンと同様の原理により推力を得ることができる。イオンエンジンを机上検討及び試作を実施し、発生させたイオン状アルミニウムによる効果を見積もった。